The「名言」
誰にでも優しいっていうのは、
誰にもやさしくないのと
同じじゃないかな?
(熱帯魚、吉田修一)
【コメント】
そうだ、とも言えるし、
ちがう、とも言える気がする。
つまり、誰にでも
優しくしようとする人の思いを
知っている人には、
その人のことを理解してあげられる。
けれど、その人から
一番に優しくされたい人にとっては、
その人のそういう努力に
勝手に傷ついていることもある。
ただ、場合によっては、
当然の権利として、
一番に優しくされるべき関係もある。
たとえば、子供が自分の親から、
一番の愛情を感じていたいのは当然で、
自分をさておいて、自分の友達とか、
ほかの事柄に「いい顔」をしている様子は、
きっとストレスになる。
本心からの優しさだとしても、
「いい顔をしている」ようにしか
見えないこともあるだろう。
優しくして欲しい人たちが、
いつも順番を守って並ぶわけでもなく、
だいたいは、そんなことなど関係なく、
今すぐ優しくして欲しいと
リクエストを出してくる。
そうなったら、
一番がっかりさせちゃいけない人が誰か、
っていうことを判断することになる。
損得勘定で判断する人もいれば、
愛情関係で判断する人もいるだろう。
優しさの平等っていうのは、
理解してくれる人がいなければ、
とても難しいことだと思う。
(参考)
熱帯魚(吉田修一)